Other major eye disease その他の主な眼の病気
翼状片
翼状片
図のように結膜(しろめ)の部分から角膜(くろめ)にかけて、翼状の余分な白い膜のような組織ができて、それがゆっくり大きくなり瞳の中心に向かって進んでいく眼の病気です。
この翼状片という病気は、結膜の内側(鼻寄り)にできやすい傾向があり、通常は少し充血する程度ですが、お酒を飲んだ時や眼を酷使した時に充血が増すことがあり、鏡を見たり、他の人から指摘されて気にされることがあります。
翼状片が小さいうちは、少し充血する程度で特に自覚症状はほとんどありません。しかし、翼状片がだんだん進むにしたがって瞳の近くまでかかるようになると不正乱視などを生じて視力が低下したり、ドライアイや慢性の結膜充血を合併するケースがあり、放置せずに早めの治療が必要となります。
原因
翼状片が発症する原因は諸説ありますが、翼状片を生じやすい体質と共に、紫外線などの光刺激の影響による説が最も有力となっています。
その根拠として、沖縄など亜熱帯や熱帯地方に居住している方に非常に多いだけでなく、わが国でも農作・漁業や運転業務等、長時間日光の曝露を受けるお仕事をされる方に発症しやすいことから、紫外線などの光刺激による影響が明らかになっています。
治療
翼状片は、初期にはその進行を遅らせ、また、眼に違和感や充血等を軽減する目的で点眼薬で治療し、同時に、予防対策として運転や外出時のサングラス着用等の生活指導も行います。それでも進行した場合には、翼状片を手術で取り除く治療が必要となります。
しかし、この病気は患者さんの生活習慣等も原因となっているために非常に再発しやすいことが知られています。この様な理由から、翼状片を単に切除する「単純切除」のみではなく、翼状片を切除した部位に正常な結膜(しろめ)を別の部位から移植する「遊離弁移植手術」を実施することが推奨されています。
また、翼状片の場合、かなり進行し、瞳に近づき、不正乱視等により視力が低下してから手術するのでは翼状片の濁りが角膜に残り、十分な視力の回復が難しい場合も多いことが知られています。
このため、翼状片がある程度進行したら、瞳にかかる前に手術を実施する必要性があります。さらに、手術後も再発防止を図るため、点眼薬等での治療を継続することが大切です。