Other major eye disease その他の主な眼の病気
加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)
加齢黄斑変性とはどんな病気?
眼をカメラに例えると、カメラのフィルムに相当する部分が「網膜」という部位で、その網膜の中心部にある「黄斑」という部分が視力に最も関わり、色の識別も行う最も大切な部分です。「加齢黄斑変性」は目の老化により新陳代謝が衰え、沈着物がこの「黄斑」に蓄積して始まり、そこに出血しやすい病的欠陥(新生血管)が発生する病気です。この新生血管は容易に出血し、このため見たいと思うところがはっきり見えない(視力低下)、物がゆがんで見える(変視症)、見ているものの中心が欠けて見えない(中心暗点)などの症状が長期に続きます。このため、アメリカではすでに中高齢者の失明原因の第一位となっており、日本でも急速な高齢化や食生活の欧米化や有害なブルーライトによるの影響で、この病気による視覚障害者がすでに数百万人を突破し、さらに急増を続けています。
加齢黄斑変性で視覚障害にならないための最新療法?
「加齢黄斑変性」から視力を守る鍵は、早期発見と早期治療が最も大切です。すなわち、この病気は、放置すると経過とともに約4割の方に両眼に発症するといわれています。しかし、早期に治療を開始すると失明には至らず、比較的良好な視力が保たれる場合が多いのです。治療は、血管を強化して出血を予防する内服薬や黄斑部を保護する栄養薬などを継続使用し、さらに、早期発見できれば、新生血管の成長を抑える最新薬(アイリーアまたはバビースモ)を眼内に注入する新治療や「光線力学療法」という新しいレーザー治療法で、新生血管が出血する前に退縮させて視覚障害を防ぐことができます。
日常生活での注意点や予防法
まず第一に、世界中の多くの調査で「喫煙」が最大の危険因子であることが判明しており、継続した禁煙が大事です。また、外出時には、有害なブルーライト(青色光と紫外線)の刺激により黄斑部に有毒物質が蓄積しない様に、有害光線をカットする保護眼鏡の装用が有効です。さらに、食生活においてもルテインやゼアキサンチンなどの抗酸化色素や天然のビタミンCとEなどの抗酸化ビタミンを多く含む緑黄色野菜と亜鉛が含まれている食品(貝類、根菜、雑穀類など)の摂取が少ないと発症しやすいことが分かっています。
緑黄色野菜の重要性
厚生労働省でも一日に野菜を350g以上(5皿以上)、うち緑黄色野菜を120g以上食べることを推奨しています。
また、高血圧も危険因子となるため、生活習慣病対策も重要で、高カロリー、高脂肪の食事や塩分は控え、眼と体の成人病の予防も大切です。
そして、なによりもまず、片方の眼でも眼のかすみや視力・視野の異常に気付いたら放置せず、できるだけ早めに眼科専門医への相談をお勧めします。