むらかみ眼科クリニック MURAKAMI EYE CLINIC

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罹災診療をもうすぐ終えるにあたり心に感じること

(宇医会報より)

昨年4月の震災以降1年5ヵ月続いた罹災診療も今年9月末で終わりを迎えます。思えば、昨年4

月16日の震災の当日は開院20周年にして初めて休診体制を取りましたが、翌週4月18日から

は朝6時から診療をお待ちになる患者様をお迎えして診療と小手術を早々に開始し、4月26日

からは手術室内での白内障手術及び緑内障手術や硝子体との同時手術も開始し、今日までお蔭様で

無事に診療と手術を継続しています。

また、この2度に渡る震度7の激震の後も2000回を超えて遷延する余震と共に、さらに追い

打ちをかける様な夏の集中豪雨により、宇城地域が甚大な水害に襲われる大変な状況の中で、

「もし、この震災と豪雨を無事に乗り越える事が出来たら、今後の折り返しの21年間は今ま

でご支援頂いた当地域の方々への恩返しの為に、全身全霊で診療と手術に精進していこう!」と

決意し、この誓願を決して忘れないようにと心に誓ったことを昨日の様に思い出します。

そして、震災が一段落した後、医療費免除の罹災証明を持参して来院される多くの患者様の外来診

療と共に白内障手術及び緑内障や硝子体との同時手術、そして、緑内障のSLT(選択的隅角光凝

固術)や眼底疾患に対するマルチカラースキャンレーザー法による網膜光凝固術に加え、眼瞼の

下垂手術や皮膚腫瘍や結膜腫瘍等の多くの小手術の処置を朝から夜の終了時までずっとノンスト

ップで精進してきました。

元々、開業当初からの患者様を全身全霊で診療するという特攻精神を常に心に描きながら、日々の

朝夜の走り込みと体幹トレーニングで心身の鍛錬をすると共に職員全員が一丸となった協力体制

とサポートのお蔭で、今日まで無事にこの激烈な罹災診療を続けて乗り越えることができたこと

に心から感謝する次第です。

この長期の罹災診療を健康で無事に乗り越えていく為に、開業以来の日々の朝夜の走り込みと共に

体幹トレーニングも強化して、体脂肪率も13%台で、BMIも19を維持しています。

そして、この激烈な罹災診療を体験しながら、自分なりに時間の管理や段取りの重要さを実感する

ようになり、朝の5時半起床と温浴後の朝の走り込みから生活リズムを整え、外来診療でも日本睡

眠学会の坪田聡先生の1分間瞑想法と独自で考案した血流改善体操を実践し、さらに免疫学の権威

の順天堂大学医学部・奥村康教授の「1日に90分笑って免疫力を上げる法」も日々続け、帰宅後も

同大学・小林弘幸教授が監修する「自律神経を整える音楽」を繰り返し聴くように努め、心身の体調

管理の維持に努めてきた次第です。

この1年5ヶ月の罹災診療期間は、自分にとっては日々朝から夜までノンストップの診療と手術、

処置を全身全霊で続けてきたとても濃密な時間の日々であったと感じています。

医師となって三十余年、勤務医時代及び開業21年間の中でも最も多忙を極めた時期とも言えま

すが、その中で有り難い試練を頂き、より良い開業医となる為の修行の中で素晴らしい智慧も頂い

たと思っています。また、人生面でも奇跡的に最高に幸せな人との出会いやとても幸福な体験も数

多く得ることもでき、人生では地位や名誉などよりももっと素晴らしいものがあることを改めて

心に感じました。

今後の罹災診療後は少しはゆとりのある日々の診療と手術を楽しみながら、診療面でも基本に立ち

返り、成書も繰り返し再度熟読して少しでも多くの診療の知識と技術を体得し、昨年の震災後の

絶えまぬ余震とうち続く豪雨の中で誓った地域への恩返しの誓願を実現できる様、日々の健康に

努め、自分なりに努力を続けていきたいと思っています。