音楽による抗加齢効果
院長エッセイ
開業後も日々の診療の合間に、各種ジャンルの音楽をよく聴いて楽しく過ごしています。
当初は、20代の頃によく聴いた竹内まりあ・松任谷由実や浜田省吾やサザンオールスターズ等の曲を学生時代の思い出と共に聴いていました。また、下積みの研修医時代にも、「今に見とけ!」と闘志を燃やしながらバナナラマの「ヴイーナス」などの曲を聴いたり、東京や横浜のディスコで踊ったことも、昨日のように思い出されます。
音楽を聴くとその「タイムマシーン効果」で、心はいつも20代に戻っている様な気がします。そして、懐かしい曲を聴きながら蘇るのは、甘い思い出の学生時代や苦闘した研修時代から、いつもひたむきに生きてきた自分の姿です。「あの時代を頑張ったから今日がある。だから、今日も一生懸命頑張ろう!」と気持ちを盛り上げています。
先日、稲垣潤一のコンサートに家内と一緒に出かけ、「思い出のビーチクラブ」や「夏のクラクション」など懐かしい曲を聴き、湘南で出会った20代の2人に戻った気分になりました。この夏は、長い真夏日が続きましたが、稲垣のCDを聴きながら夏の避暑旅行を楽しみに期待感を高め、盛夏期の診療やレセプト業務に加え、朝夕の走り込みも順調に消化できました。
また、新しい曲も診療後のジョギング時に携帯ラジオのFMを聴いて、親しんでいます。今年の冬は、中島美嘉の超満員総立ちのコンサートにも家内と行き、心にしみる歌詞を声量いっぱいに歌う姿を生で見て感動しました。特に、「クレッセントムーン」の歌詞にある、「どんなに逆風だって私負けない。時代に潰されても二人で生き抜いていこうね。」という前向きな言葉が好きで今年の冬のテーマ曲として毎朝繰り返し聴きました。おかげで、真冬にも一度も体調を崩さず、元気に診療に励むことが出来ました。従来、音楽には、モーツァルトやバッハ等の揺らぎのあるメロディーを聴くことで、α波の脳波が増加し、情緒を安定させ免疫力を高める効果や、また、ポジティブな思考や行動に導く前向きな曲では、代謝の活性化によるダイエット効果等も報告されています。このため、自分も、日本抗加齢医学会の一員として、そのアンチエージング効果についても自験例で検討してみたいと思います。
先日の同窓会でも友人から、「思考も顔も体型も全く変わってないな!」と冷やかされました。また、運動公園で走っていると、「大学生ですか?」とよく尋ねられ、清々しい笑顔で、「はあい。」とスポーツ青年らしく返しているこの頃です。
そういえば、30年以上前に両親が月初のレセプトの点検時に、机を並べて手作業をしていたのを思い出します。当時は、レセコン等まだ無く、修正は、インクを丁寧に砂消しゴムで消して修正する、現在より遥かに根気のいる手作業で、「ああ紅の血は燃ゆる」や「若い血潮」等の軍歌が繰り返しレコードから流れていた光景を子供心に覚えています。この様に、音楽は、その時代その時代の人の心の応援歌にもなるのでしょう。
今後も開業医にとって、益々厳しい医療情勢が続きますが、音楽と親しみながら、笑顔で楽しく日々の診療に励んで参りたいと思います。