むらかみ眼科クリニック MURAKAMI EYE CLINIC

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「計画停電下での診療の対処法」

(宇医会報より)

東北・東日本大震災による原子力発電の危機管理が問題となり、九州でmお原子力発電所の運転再開延期により、電力需要が著増するこんなつの計画停電実施の可能性が懸念されている。しかし、計画停電が実施される場合、その時間帯を潔く休診にすれば済むという単純な問題ではないのは周知の事実である。
 当然ながら他科と同時に、眼科診療においても手術や光凝固治療はもちろん出来なくなるだけでなく、消毒・滅菌業務にも大きな支障とリスクをきたし、外来診療も最低限のレベルでしか行えなくなる。このような経緯から関東地区の同業の医師からの情報や教示により、計画停電時の外来の診療についての対処法を考察してみた。
 A.計画停電時に休診するばあい
①計画停電が午前もしくは午後の診療にかかる場合には半日単位で休診する。②計画停電の予定がある場合、予め医院入口や受付に掲示を出し、受付時にも計画停電の可能性を話し、計画停電開始次第診療を終了することを了承いただいた上で、待たれる患者さんについては診療を受け付ける。③計画停電が予定された場合、基本的にはその時間帯を休診と案内した上で、医師ならびにスタッフは待機し、計画停電が回避された場合には診療を実施する。
 B.計画停電時に診療を行う場合
①計画停電中は、薬剤処方を首都した診療で対処し、レセコン等は使えないので会計は手計算とする。②計画停電中に外来診療を行う場合は、手持ち細隙灯顕微鏡や直像眼底鏡等での最低限での医療器具のみで診療を行う。さらに、小型自家発電装置がある医院の場合でも、レセコンや薬剤処方箋の発行だけでも行えるようにし、もし余力があれば最小限の機器だけ稼動させながら、他は前途した充電できる最小限の手持ちの器具のみで最低レベルの診療で対処せざるを得ないようである。
 また、地震時を想定した患者さんとスタッフの避難訓練の実施も直近に必須である。さらに憂慮されるべきは、大震災後の税収著減を補うための増税と景気のさらなる長期の低迷悪化による税収減と震災復興費などの支出の著増により、健康保険においても70歳から75歳未満の高齢受給者の一割負担の据え置きが解除され、来年度以降本則通り2割負担とされるなどの患者負担増や保険点数の切り下げの可能性も指摘されている。
 このような厳しい医療情勢においても日々創意工夫しながらスタッフと共に患者さんに笑顔で気持ち良い診療を続けることが出来るよう微力ながら努力を続けていく所存である。