Glaucoma 緑内障
02. 緑内障治療の最新のトピックス
緑内障になりやすい人の特徴(危険因子)
- 緑内障になりやすいタイプ
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- 40歳以上の人(男女比で比較すると女性に多い)
- 近視(特に強めの近視)の人、強めの遠視の人
- 家族に緑内障の患者がいる人(緑内障の家族歴が有る)
- 頭痛や偏頭痛持ち、首肩凝りのある人
- 冷え性や痩せすぎの人
- 肥満傾向(メタボリック症候群)の人
- 糖尿病の人
緑内障が怖いのは、気付かないうちに徐々に病状が進行し、末期になってから視力まで損なわれるため、緑内障は今や日本で中途失明原因の第1位となっており、治療の先送りや中断は禁物です。
もし、あなたが緑内障と診断されたら、最も大切なことは眼科で治療を受け続けることです。とにかく、放置や先送りにはせず、できるだけ早く眼科専門医を受診して進行を食い止め、さらに中断することなく治療を継続して緑内障の悪化を防ぐことが最も大切なのです。もう一つ大事なことがあります。それは、日常生活や食生活などの生活習慣を見直して、セルフケアを実践し継続することです。緑内障を悪化させないポイントは、以上の大事なこの二点を継続できるかどうかにあるのです。
緑内障が悪化しやすい生活習慣の危険要因
- 酸化ストレスが起こりやすい生活習慣の危険要因
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- 睡眠不足
- 運動不足(特に有酸素運動不足)
- 暴飲暴食
- 喫煙(受動喫煙も含む)
- 有害光(紫外線、ブルーライト)
- 食品添加物
睡眠不足や運動不足、暴飲暴食などの生活習慣によって酸化ストレスの強い人は緑内障が悪化しやすいことが、東北大学大学院医学系研究所の調査で分かっています。
日本人の緑内障の7割以上を占める正常眼圧緑内障は、眼圧コントロールだけをしても進行する人が少なくありません。その原因の一つは、全身の酸化ストレスが眼球から脳に向かう視神経を障害するためであるということです。
酸化ストレスとは、細胞内で発生した活性酸素(老化や病気を招く酸化力の強い悪玉物質)によって遺伝子やたんぱく質が障害される、人体にとってさまざまな有害作用のことです。活性酸素は、加齢、紫外線、 喫煙、睡眠不足、運動不足、暴飲暴食、ストレス、食品添加物によって産生されます。このため、活性酸素を消去する体内の抗酸化力が弱いと、細胞や血管が酸化によって傷害されます。東北大学が行なった研究で、緑内障の進行と酸化ストレスには高い相関が見られ、酸化ストレスが高い(抗酸化力が弱い)と緑内障になりやすく、進みやすいことが分かっています。
睡眠時無呼吸の人は通常の10倍も緑内障になり易い!(イビキと緑内障の関係)
北海道大学の眼科では、睡眠時無呼吸症候群の人が高い頻度で緑内障を発症しやすくなるという研究論文を2016年に米国の権威ある眼科専門誌に発表しました。
睡眠時無呼吸症候群は、大きなイビキとともに睡眠中に呼吸が停止する疾患です。このため、心筋梗塞などの虚血性心疾患による突然死を発症するリスクが高いことでも知られていますが、以前から緑内障の発症にも強い関係があるとされ、その理由は呼吸停止時に眼圧が高まるからであると考えられていました。
ところが、実際には呼吸停止による低酸素状態に原因があることが判明したのです。睡眠時に無呼吸になると眼内が酸素不足に陥り、視神経が治せないほどのダメージを受けるため、緑内障になるリスクが何と10倍にも高まることが明らかになったのです。
治療を継続することで、緑内障の病状の
進行を抑えて視覚障害や失明を
予防することができます。