Glaucoma 緑内障
10. 「極小切開法」白内障手術
(MICS)と「低侵襲」緑内障手術
(MIGS)との
同時併施も可能な時代に
緑内障になりやすい人の特徴(危険因子)
- 緑内障になりやすいタイプ
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- 40歳以上の人(男女比で比較すると女性に多い)
- 近視(特に強めの近視)の人、強めの遠視の人
- 家族に緑内障の患者がいる人(緑内障の家族歴が有る)
- 頭痛や偏頭痛持ち、首肩凝りのある人
- 冷え性や痩せすぎの人
- 肥満傾向(メタボリック症候群)の人
- 糖尿病の人
緑内障が怖いのは、気付かないうちに徐々に病状が進行し、末期になってから視力まで損なわれるため、緑内障は今や日本で中途失明原因の第1位となっており、治療の先送りや中断は禁物です。
もし、あなたが緑内障と診断されたら、最も大切なことは眼科で治療を受け続けることです。とにかく、放置や先送りにはせず、できるだけ早く眼科専門医を受診して進行を食い止め、さらに中断することなく治療を継続して緑内障の悪化を防ぐことが最も大切なのです。もう一つ大事なことがあります。それは、日常生活や食生活などの生活習慣を見直して、セルフケアを実践し継続することです。緑内障を悪化させないポイントは、以上の大事なこの二点を継続できるかどうかにあるのです。
緑内障専用の新型レーザー(SLT)の利点
- 副作用や合併症の心配がない。
- 外来治療で行なえて、全く痛みもない。治療はわずか数分(通常5〜6分程度)。
- 全身疾患や要介護の高齢者にも安心して実施ができる。
- 日常生活に特に制限はない。治療の当日も普段通り入浴・洗髪も可能。
- 健康保険が適用される。生命保険でも「手術給付金」の支給対象となる。
- 点眼治療との併用療法や代替療法として実施でき、患者さんのQOLの向上にも役立つ。
- レーザー治療の効果は一定期間持続するとともに、病状の進行があれば追加して再治療できる。
正しい点眼法で緑内障の進行を抑えるコツ
正しい点眼法を身につけることで、薬の効果が最大限に発揮され、また副作用の予防・軽減につながります。
- ① 手をきれいに洗い、清潔にします。
- ② 少し上方を向いた状態で下まぶたを軽く引き、一滴を確実に点眼します。(1回1〜2滴の場合もありますので、医師または薬剤師の指示に従ってください)。容器の先がまぶたや睫毛に触れないように要注意ください
- ③ 点眼後は、1〜5分ほどまぶたを閉じるか、目頭を軽く押さえます。まばたきは厳禁です。
- ④ あふれた点眼薬は、清潔なガーゼやティッシュで拭き取ります。
点眼薬一滴は0.03〜0.05ミリリットルですが、眼の中には0.02ミリリットルぐらいしか入らないため、必ず点眼薬の一部は眼からあふれてしまいます。それを放っておくと、眼の周囲のまぶたの皮膚がかぶれるなどの副作用が出ることがありますので、ガーゼやティッシュを用意して下まぶたを被ってから目薬をさすようにしましょう。 - ⑤ 二種類以上の目薬を使用する場合は、3〜5分以上間隔をあけて点眼します。その理由として、先に点眼した目薬が、後から点眼した目薬によって洗い流されるのを防ぎます。急ぐ時でも2〜3分は空けましょう。
眼の周りおよび顔の経絡ツボ療法
血液や房水の流れを促すツボは、「膀ぼう胱こう経けい」という経路上にあります。
その中でも特に眼の周りや顔のツボは、目に直結しているため効果が出やすいのですが、絶対に強くこすらず消しゴムを使うとき程度の力でツボ押しを行なってください。また、決して眼球自体を押さないようにご注意ください。
- 攢竹(さんちく)
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眉頭の内側にあるくぼみです。ここは眼の血流や房水の流れを促すスイッチのような役割を持つ急所で、緑内障の特効ツボです。後頭部のマッサージの後に、両手の人差し指で上下左右に50回ずつマッサージします。
2〜3週間ほど続けると、眼圧の下降や血流の改善に好影響が期待できます。眼科から点眼薬を処方されている人は、点眼薬をさしてから閉眼したまま指でのマッサージを行なうと効果的です。点眼薬が2剤ある場合は、1回目と2回目の点眼の合間に行なうと点眼薬の眼内への吸収が促進されるのでお奨めの方法です。
尚、ツボ治療を併施して眼圧が下がったからといって、油断して眼科の治療を中止したり点眼薬を止めたり決してしないでください。ツボマッサージは、あくまでも点眼薬の効果を高めるための補助的な役割をすると考えて、毎日気長に長く続けていきましょう。 - 眉中
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眉の真ん中にあります。緑内障や糖尿病網膜症、黄斑変性、網膜色素変性症に有効な眼のツボです。両手の人差し指と中指で左右に細かく揺らしながら10秒ほどマッサージします。
- 陽白
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眉中の真上で、眉の上縁から親指の幅1本分上にある緑内障と白内障に有効なツボです。眉中と同様に手の人差し指と中指で左右に細かく揺らしながら10秒ほどマッサージします。
- 晴明
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目頭の内側の骨のくぼみにある緑内障や白内障、黄斑変性など多くの眼病に有効な眼の基本ツボです。両手の人差し指を当てて、上下に細かく揺らしながら10秒ほどマッサージします。
- ◎眼と体に取り込まれる酸素量が増え、血流も良好になり、眼圧も下降することで緑内障、さらに糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などの予防と進行抑制などに有用です。
- ◎「歩き」よりも約二倍も効率的なカロリー消費によるダイエット効果と肥満防止にも有用で、メタボリックシンドロームの予防に役立つだけでなく、ウエストもくびれてスタイルも改善され、腸能力も向上して便通の良好化の効用も期待できます。
- ◎血糖値が下がり、糖尿病の予防と悪化を防ぐのにも有用です。「スマイルコアジョグ」®を継続することによってインスリンの効きが良くなり、血糖値が速やかに下がり、糖尿病の予防と悪化防止にも役立ちます。
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◎血圧を良好に保ちます。
「スマイルコアジョグ」®によるニコニコペースの運動を継続することにより、血圧も正常域に下がり、眼と全身の血管の動脈硬化の進行も抑えられ、眼底出血を防ぎ、脳卒中や心筋梗塞などの予防にも有用です。 -
◎善玉コレステロールが増えます。
ニコニコペースでの「スマイルコアジョグ」®などを継続することにより、善玉コレステロールが増え、高コレステロール血症の予防と悪化防止にも有用なことがわかっています。 -
◎無理なく長く継続することにより、抗酸化力と免疫力が高まり、眼と体の成人病を防ぎ抑えます。
「走り」よりも活性酸素の発生が格段に少なく、その「ホルミーシス効果」により、眼と体の抗酸化力と免疫力の向上により、緑内障や加齢黄斑変性などの眼病や癌などの発症や進行のリスクを抑えることができます。 -
◎認知症を予防し、脳の働きがよくなります。
ニコニコペースでの「スマイルコアジョグ」®を続けることにより、これらのリズミカルな運動が大切な記憶に関わる脳の前頭葉の「海馬」の細胞を増加させ、認知症の予防にも役立ちます。
わずか2ミリからの無痛の「極小切開法」(MICS)を実施
眼の手術で患者さんが最も心配される点は「手術に伴う痛み」です。それが「怖い」というイメージにつながってしまう方も少なくないようです。しかし、心配されるまでもなく、当院の最新の白内障手術には数多くの秘訣があり、特に「痛み」を感じることはまずありません。
- 最新の手術法=わずか2ミリの「極小切開法」(MICS)
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当院で実施している「極小切開法」(MICS)による手術の場合、創口はわずか約2ミリという小さなもので、以前のような12ミリ切開による手術法に比べると、約6分の1程度にまで縮小を可能にしました。
①「無痛麻酔法」®(安全で痛みのない深部まで長く効く有効な局所麻酔法)
一時的な表面だけの「点眼麻酔」とは違って痛覚のレベルに応じて量を増強でき増強できる持続性のピンポイント麻酔
手術の創口がわずか2ミリ程度の「極小切開法」(MICS)においても、当院では万全を期すために、この「無蒲麻酔法』を全症例に実施しています。
当院では、まず最初に目薬のように優しい点眼薬による麻酔を施してから手術を始めます。これにより、2ミリの極小切開を行なっても痛みは全く感じません。続いて、眼内の細かい手術操作に入る前に「テノン内麻酔」を追加します。これは、結膜の下の「テノン」という場所に薬を注入するだけのもので痛みは全くありません。しかも、テノン内麻酔は、患者さんの個性や痛覚のレベルに応じて麻酔薬の量を調整できるという利点もあります。さらに、デリケートなご性格で痛覚過敏な患者さんには、低濃度の鎮痛麻酔液を眼内に微量注入する「前房内麻酔」も併用した「無縮麻酔法』を実施して万全を期しています。
最初の点眼麻酔は一時的に眼表面だけに効く麻酔なので、持続性があり、かつ、眼の奥まで届くこれらの「ピンポイント麻酔」を追加することで、最後まで痛みをシャットアウトすることができるのです。
なお、局所麻酔の性質上、手術中には眼に触れているという感触はあり、軽い圧迫感やしみる感じがする場合も稀にありますが、手術中や術後に強い痛みを感じるということはまずありません。
治療を継続することで、緑内障の病状の
進行を抑えて視覚障害や失明を
予防することができます。