失明の最大原因−「糖尿病性網膜症」
視力を守る”早期検診・早期治療” |
働き盛りの世代に多い生活習慣病−。
その中でも日本人の失明原因の第一位となっている「糖尿病性網膜症」について |
日本における糖尿病患者はおよそ700万人。40歳以上の10人に1人以上が糖尿病と推定され、予備軍を含めると1500万人以上にも上ります。しかし、初期には無症状なために放置されることも多く、実際に治療を受けているのは、200万人ほどに過ぎません。
糖尿病で最も怖いのは、その合併症である「糖尿病性網膜症」です。日本の失明の最大原因で、毎年3000人以上がこの病気で失明しています。しかも、糖尿病患者の20%以上が視覚障害に悩まされており、その大半がまだ働き盛りの方なのです。
目の仕組みをカメラに例えると、「網膜」はフィルムに相当する大切な組織です。糖尿病は細かい血管に障害を起こす病気なので、網膜の血管も冒され、弱くもろくなり、切れて眼底出血を生じ、視力が障害されます。さらに進行すると眼球の中にまで出血が波及(硝子体出血)して、著しく視力が低下します。
糖尿病性網膜症の経過が悪い例では、患者さんが「まだ見えるから大丈夫」と思い込み、眼科受診が遅れたり、途中で眼の治療を中断して手遅れになったケースが大半を占めています。最悪の事態を防ぐためには、患者さん・内科医・眼科医が一体となり、継続した治療を行うことが最も大切です。
糖尿病性網膜症は発見や治療が遅れるほど、視力の改善が難しくなり、手遅れになれば確実に視覚障害をもたらす怖い病気です。糖尿病と診断されたら、眼科を定期的に受診して、糖尿病性網膜症を未然に防ぐ努力が必要です。 |
進行した糖尿病性網膜症 |
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「糖尿病性網膜症」が進行すると、「眼底出血」に加え、眼球の中にまで「硝子体出血」を起こして、著しく視力が低下します。 |
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